長年携わってきた病院では、多くの方と関わってきました。厳しい環境で我慢しすぎて苦しくなった方、病気や障害によって思うように生活できなくなった方などがいました。皆さんが良くなって、学校や会社に行けるようになった等の声を聴くのは喜びでした。しかし、そのような人が減ることはないどころか、時々良くなった患者さんが病院に戻ってくる場合がありました。
私は、人々が調子を崩したり、病気になったりする前に、もっと早期に心の健康に向けてできることはないだろうかと考えていました。そこで出会ったのが、マインドフルネスです。
マインドフルネスとは、苦しみから避けることのできない私たちの人生の歩みを助けてくれるものです。少しでも苦しみを和らげ、小さな喜びを思い出させてくれます。そして、心も、身体も、そして社会的に、より豊かな状態を目指すウェルビーイングに大いに役立てていくことができます。
マインドフルネスとは「今この瞬間に自分に起きていることを、評価や判断をせずにありのままを受け止めること」です。瞑想やヨガなどを通して学び、人生のあらゆるストレスとの対応方法を向上させることができます。
ストレスとは精神的なものだけではなく、人間関係を始め、仕事、健康、病気、体の痛みなどがあります。マインドフルネスは仏教の教えに由来するものですが、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)は宗教色が取り除かれおり、世界40か国以上で行われています。その理由として、ストレス低減、メンタルヘルスの向上、身体的な痛みの低減など科学的な根拠が認められているからです。1979年に開発されて既にもう46年もの歴史があります。
なにより心理専門職として働く自分自身の助けになりました。以前はカウンセリングで疲弊していていた自分自身の心を意識できていませんでした。マインドフルネスを取り入れるようになり、積極的に自分の心をケアできるようになりました。そして、私自身がより豊かにいきることができるという実感を持てるようになりました。
心のケアは、単に「問題を解決する」だけではありません。本当に大切なのは、自分がどのように生きていきたいかを知り、そのために自身をケアし続ける力を身につけることです。この部分にマインドフルネスが非常に役立ったと思っています。
マインドフルネスと心理カウンセリングを組み合わせることで、自分自身のハンドルをしっかりと握り、人生という道の選択を自ら選ぶことができるようになります。
カウンセリングとマインドフルネスはそれぞれ次のような役割があります。
- カウンセリング → 心の負担を軽くする
- マインドフルネス → ストレスとうまく付き合う力を養う
この2つのアプローチはお互いに作用しあって、心の安定とより良い人生(ウェルビーイング)の向上をサポートします。当サロンでは、一人ひとりに合わせた方法で、3つのステップ「回復 → 探求 → 充実」へと進めるよう、丁寧に寄り添い、サポートしていきます。
マインドフルネスの時間にカウンセリングを行うことはありませんが、カウンセリングの中でマインドフルネスをご紹介することがあります。
一度AwarefyやUpmindなどのアプリを使ったり、YouTubeなどを利用して「マインドフルネス呼吸瞑想」というものをやってみてください。
私のほうでもいくつかガイドを用意しており、今後増やしていく予定です。
